かつてあった庭の話。

エゴの木

エゴと言えばエゴイストを連想するが、その花は白く可憐。

芙蓉

綺麗によく咲いてくれた。

しゃくなげ

母が大事にしていた。

山萩

南の庭の中ほど東寄りに。

ふきのとう

摘み取って母がてんぷらにしてくれたことがあった。

水仙

木の根元に黄色の八重が咲いた。

沈丁花

門の外の植え込みにあったが、枯れてしまった。

すずらん

門の脇、桜の木の下に群生していた。

グラジオラス

花壇に咲いた薄オレンジの花。当時すでに流行りでなく、私は懐かしく見ていた。花列が高く重く伸び、倒れそうだった。

びようやなぎ

門の外の植え込みに、きれいによく咲いた。岸田今日子さんの朗読会に飾られたことがあったらしい。

ゆきやなぎ

南の庭の一番手前に何株か植わっていた。

朱色の
さつき

花壇のそばにあって、枝分かれが凄かった。

オオムラサキ

ツツジでなく、オオムラサキだった。(母がそう言っていたのを思い出した。)見事に咲いたピンクの花が、玄関の小窓から見えた。

稚児ゆり

春になると、花壇の西側一帯に、ぽつぽつと茎を伸ばして可憐な白い花をつけた。

藤の花

台所の窓のすぐ外に藤棚があった。母が「丹精を込めて」育てたものらしい。花が咲くととてもいい匂いがした。

満天星

こう書いて「どうだんつつじ」と読むと知って驚いた。秋には葉が美しく紅葉した。

ドクダミ

道路に面した塀の足元など、日陰の湿ったところにたくさん出た。雑草として、手当たり次第に引き抜いていた。